ユルいのヨシアシ 

エーラスダンロスやら発達障がいやら絵やら

発達障がい 5月は学校探し

新年度が始まって1ヶ月。子どもも保護者も、そして先生サイドも慣れてきて、そのヨシアシが見えてくる頃。先生と話し合い、子どもと話し合い、軌道修正したり擦り合わせたり忙しくなってきます。
がしかし、そんなのは発達障がいに関係なく、どの子にもどんな学校にもあること。なので、今回は発達障がい児の保護者ならではの5月の経験を書いてみます。
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【発達障がいは、その表出の仕方に個人差が大きくあります。このブログに書いてあることは、あくまで私と息子・てんの経験したことです】

発達障がいの子どもに必要な支援は多岐に渡ります。そして、本人や保護者が求める支援も1人1人違う。描く将来像や現実的にできる養護や期間も保護者、またはライフステージによって千差万別。
こちらの希望の全てに合致する学校はなかなか見つからないけれど、だからといって諦めたら試合終了どころかヘタしたら人生が終了しかねないと自分を追い込み、我が子に合う学校探しの死闘に身を投じたのがてんさんが幼稚園年長の5月でした。

以前からなんとなく目星はつけていたとはいえ、背水の陣で臨む戦いですから情報という持ち玉は増やしておきたいところ。
ただ、ここで気を付けたのは【口コミはあまり当てにしないほうがよい】ということ。
発達障がいの出現の仕方や必要な支援はそれぞれ独自のものなので、【人の感想より自分の勘】を大切にしました。

さて、我が子の将来に大きく関わってくる大事なプレゼンの準備です。気合いを入れてやっていこう!

《リストアップ》
●入学資格
実際の雰囲気や校風などは見学に行くとして、まずはてんさんが入学可能な学校をリストアップしていきます。
この、入学者の対象になるかのチェックはしっかりと確認すること。
どんなに魅力的な校風でも、そもそも入学者の対象になっていない学校に相談したって時間がもったいないし、不要なダメージを負うだけなので。ただし、「制度的には問題ないけど単に前例がない」場合は候補として残しておこくことにしました。

●引っ越しはアリなのか
言い出したら外国だってアリです。費用、時間、将来、メリット・デメリットなどを考えていきます。
てんさんの場合は新しい環境に馴染むまでにかなりの時間を要するので、遠い土地への引っ越しは不向き。仮に引っ越すとしても「市内の私立校の近く」くらいが現実的。てんチチの母や私の両親の世話もあるし。
公立校の場合、校区外からの越境入学は基本的には認められていないので、これはまず市教委と話してみるとよいかもしれません。けれども、いわゆる風の噂で「あの学校の支援級は手厚い!」と聞いたとしても、公立校には異動があって次年度には「最悪な対応!」と噂される事態にもなり得るので、我が家の場合はわざわざ公立に越境、もしくは引っ越しての入学はないと考えて候補からはずしました。

その他の考慮事項として
●歩ける距離なのか
●バスなどの利便性
●仮に引っ越すとして、生活環境はどうか

ここまででかなり絞られてきました。うちの場合は国公立・私立を合わせて4校。それぞれの学校への相談の間に県教委・市教委への相談、病院診察・市の就学相談などが入ってくることを考えたら、早く動いて更に候補を絞ることが必要だと思い、とりあえず就学相談のお願いの電話をして予約をしていきました。

《心身疲れ回復準備が肝要》
そもそも困りや問題を抱えてないならば、時期になったら校区の学校から案内が来たり私立校のオープンスクールで説明を受けたりして、特に気を張る必要もなく手続きが進んでいくんだけど、発達障がいや肢体不自由など何かしらの困りがあるからこそ少しでも本人に合った学校に受け入れてもらおうというプレゼン期間ですから、神経がすり減ります。
なにも考えずに普通校の普通級に進んで余計な苦労や心労を負えば将来にも影響がでかねないので、我が子が普通級の子たちに比べて「いかにで出来ないか」を説明し、アンテナを張り巡らせて必要な支援を取り付けていけそうかを学校との相談の中で察知し判断していく訳なので、時間も体力も気力も根気もいる作業です。
きちんと自分の疲れを認めて回復させていかないと最後まで持たないし、メンタルやられます。門前払いのようなゾンザイな扱いを受けることもあるしね。


《大事なファーストコンタクト》
●電話の用向きの説明を分かりやすく
●ここでは面談の予約を取りたいだけなので端的に

あくまでプレゼンです。その場かぎりではなく、その後の学校生活の間、長ければ12年間のお付き合いになるかもしれない最初の接触です。電話での予約だからこそ明るい声で前向きな好印象を持ってもらえるように努力しました。
もちろん、最初と最後には感謝の言葉を忘れずに。

《厳しい現実を受け入れつつ、候補を絞る》
我が家の地域には1校だけ公立の小規模校があります。校区外なので望みは薄いですが、まったく不可能ではない、過去に校区外からの受け入れ実績があると聞いたので、まず度胸試し(?)に電話してみました。

結果は、まったく話にならず。
電話で「相談の予約」をしたかっただけなのに、療育園に在籍していることを伝えた段階で「もしかして入学の相談ですか?今の時点で校区外ならわざわざ転居してまで入学されるのは困ります」と言われました。キツい言い方ですが、確かにそりゃそうだ。もちろん、公立校だからと言って全てがそうした対応ではなく、別件で知り合った公立小学校の校長先生からは、「保護者の熱意や協力があれば引き受ける用意はある。しかし公立校である以上、自分や教員の異動があったりして来年度の対応は約束できない。だから、引っ越しをしてまでウチにいらっしゃいとは言ってあげられない」と優しく話していただいたことも。
そのときは別件中での雑談の一部だったので、「そこは理解してるつもりなんですが、だからと言ってこちらも動かない訳にはいかないのです」と言ったら、親としての苦労を労いつつ県教委に相談してみることを勧めてくれました。

候補の4校に相談予約の電話をした結果、2校が消え、1校が増えてたので実際に相談に出向くのは
第①候補:校区の小学校
第②候補:特別支援学校
第③候補:私立校
の3校。
スケジュールとしては、まずは基本である校区の学校から相談をお願いすることにしました。


【最初の電話での話】
《校区の小学校》
保護者としての義務がありますから、特支、私立に入れない場合は今の校長先生が残ろうが残るまいがこの公立小学校に通わせることになります。なので、こことの話し合いはより細かくより前向きにという気持ちで臨みました。
てんさんの特質と病状への対応のお願いがどこまで聞いてもらえるのか。プレゼンではなく擦り合わせをしたい旨を伝えたところ、学校側も前もって準備をしておけるから助かるので、何回かに分けて話し合っていきましょうと言ってくださり、とりあえず背水の陣ではなくなったのでホッと一息。
第1回目の話合いの日時を決めて終了。

《特別支援学校》
療育園に通っている旨を最初に伝え、すでに校区の学校や市教委とも話していることも伝えたら、私の苦労を労ってくれて感涙。話し合いと見学の日時を決めて終了。

《私立小学校》
専門校ではないので支援すべてを手厚くはできないかも知れないが、保護者の協力があるならもちろん受け入れます、とのことで、オープンスクールの日に個別相談をしていただくことを決めて終了。

電話で相談予約のをしただけなのに、ここまで心身をかなり消耗。今後、実際に出向いて話し合っていくのかと思うと嫌になってくるけど、嫌だからこそ効率よくやっていこうと療育園の先生方やママ友に励まして貰いながら、話し合いのための資料を夜な夜な作った11年前でした。