ユルいのヨシアシ 

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EDS 学校への説明・日常編2回目

学校への説明、その2。

立ち話で説明をすることも多いけど、確実に対応してほしいこと、全教員に共有して欲しいことは箇条書きの文章にして渡したりメモを取っていただきます。

【EDSは症状や重症度において個人差が大きい病気です。このブログでは私の息子のてんについての事を書いています】


●筆記補助具の使用
特別支援学校とはいえ、高等部の進学コースを選択となれば毎日6限までお勉強。
板書の書き取りが遅いてんさんには合理的配慮でデジカメ使用が許可されてはいるけれど、大学進学~一般採用を狙う以上はできる限り「書く」練習にも取り組みたい、ということで、補助具を使うことにしました。
というのも、てんさんは少し力んだだけで手の親指のCM関節もMP関節もガッツリと中に入ってしまうので、とにかく不安定。きれいに字を書こうにも線はガタガタ、筆圧はバラバラ、なにより疲れやすいので長くペンが持てません。
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主治医からは普通のペンではなくタブレットのメモ機能やタッチペンを使うようにとの指示なんだけど、他の生徒への配慮もあって個人のタブレットを持ち込むことは難しいし、ウチとしても補助具を使えば今のところは強い痛みも出ないので、とりあえず。

●装具装着手伝いのお願い
てんさんは不器用。丁寧に取り組むので仕上がりは悪くないんだけど、不器用ゆえに何事にもとにかく時間がかかります。
特に指先に力を入れて行う作業は、見ているとイライラしてくる場合もあるかと思われます。
体育、身体を使う自立活動の時には膝と足首に装具を装着する必要があるのだけど、固いサポーターを引っ張って適切な位置に止める作業はさっさと出来ることではないので、

○時間がかかっても急かさない
○必要な時は手伝う
事をお願いしました。

○なぜ時間がかかるのか
○なぜ指先に力を入れて行う作業が苦手なのか
○鍛えてどうにかなる話ではない
の説明をするには上の写真を見せながら、そして私の関節を実際に亜脱臼させながら(笑)先生方にも手を動かしていただいて過可動の意味を理解してもらう作戦。
体育科の先生はどうしても、鍛えたらできるようになる、弱いからこそ鍛えてあげねば!という経験からの親切心が大きく働く方が多いので説明しても最初の反応はイマイチなんだけど、関係を損なわないように言葉のチョイスを慎重にして、事故が起こる可能性を強調したり、病気を悪化させる危険性などにも展開して、時間をかけてしっかりと説明をします。

●心理面の保護
てんさんの学校は小中高の多学年が同じ校舎で活動しています。障がい種も重度、肢体、知的、精神、病弱と、なんだかカオス。
中には悪気なく思った事を言葉にしてしまう子や、いわゆる中二病をこじらせたような感じの子もいて、てんさんの装具や配慮をカッコイイ!うらやましい!と思う子がいます。
その子達自身も困りや障がいを抱えているので注意をしてほしいとは思いませんが、

○装具はオシャレで着けてる訳じゃない
○歩けるのに場合によって車椅子を使うのは甘えてるからとかズルではない
○やらないのではなく、できない、もしくはやるべきではない事なのだ
○関節が柔らかいのではなく病気で弛く、もろいのだ
という点を、必要に応じて生徒さんたちにも説明してもらいたいとお願いしました。
(装具について詳しくは別記事で)

加えて、保護者のみなさんにはチャンスをうかがって私から草の根運動的にご理解をいただけるように説明していく旨を学校にお伝えしました。保護者の中には肢体不自由の子や内蔵疾患、難病の子がいる学校だとご存じない保護者さんもいらっしゃる(!)から、身体的には困りがない子には当たり前のちょっとした行動が大事故につながってしまう可能性を認識できてないなんてことが見てとれるし、逆に、見た目で障がいや病気がわからないてんさんのへの配慮は、知らない人からすると贔屓や過保護に見えたりもするようで、いろいろと摩擦や誤解を生みやすいので。

学校は個人情報のアウティングにならないようにと配慮してくれますが、病気に関しては知っておいていただかないと事故につながる事が予想されるので、ウチに関してはバンバン言っちゃって構いません!との一文を添えることも忘れずに!

こうした学校や職場への説明は、先々はてんさん自身ができるようにならないといけないので様子を見て大丈夫そうなら本人も同席させますが、ただでさえセンシティブなお年頃だし、夢を諦めたばかりの身には過酷な現実なので、そこは追々できるようになればいいのかなと思う次第であります。
余談ですが、EDSは遺伝性で両親のどちらかが軽度だとしても「普通と違う」症状を持っているということになり、我が家の場合は私が診断してもらった訳ではないけど関節過可動、脱臼、慢性疼痛、傷が治りにくいなどEDS症状アリアリで必要とする支援をよーく分かってるから人に説明しやすいし、亜脱臼など現物を見せられるので理解が得られやすいことを実感できます笑