ユルいのヨシアシ 

エーラスダンロスやら発達障がいやら絵やら

EDS サポーター戦記・ハハの昔話

関節痛、脱臼しやすいとくれば、サポーターや装具は必須アイテム。しかし、てんさんも私も外見に響かせたくないお年頃。そんなお話。


【EDSは症状や重症度において個人差が大きい病気です。このブログでは私の息子のてんについての事を書いています。※筆者(てんの母)にも言及していますが、筆者はEDSの検査は受けていません】
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さて。
【脱臼ハザード】の最たる対策は身の守り。つまり、装具やサポーターの力を借りて自由で弱い関節たちを固定・保護してあげるのです。いつもと違う痛みを感じるときや完全に脱臼した後は医師の指導のもとでキチンとした装具の技士さんに合わせてもらった装具をつけるべきなのでしょうが、しかしキチンとした装具というのはなかなかの存在感なので普段使いには向きません。
普通に歩いただけで脱臼するような状態になれば話は別でしょうが、今は、「家の外で亜脱臼だの脱臼だのしたら周りに迷惑をかけるし、なにより痛いとか悪化させるのはできるだけ避けたい」のでサポーターを着けて予防しておく、という感じ。


《巡り合うまでは散財》

私が初めてオーダーメイド的なサポーターを作ったのは13歳の時。オーダーメイドとはいえ、今から40年前のことですから機能的にも見た目的にもイマイチ。現物はすでに無いのですが、要するに膝の上下20センチはあるようなデカイ普通のサポーターの膝蓋骨部分に穴を開けて、その穴の部分になにやら硬いものを仕込んで、膝蓋骨そのものを周りから支えて動かさないようにするのが目的だったような1号機。

デカイ、重い、穴の周りの接着剤がガチガチに固くて痛い、可憐(さを目指していた)女子中学生には見た目も渋い…そしてなにより関節痛の軽減や不安感の解消などの、使用したことによる喜びもないということで、ただただツライものでした。

当時の診断は膝蓋軟骨軟化症。詳しくはわからない(正解に言うと覚えてない)けど、歩くと痛い、歩かなくても痛い、とにかく疲れる、足が重い、足を切って捨てたいと思うような辛さだったけど、私の母も当時は先天性股関節脱臼の大昔の手術の金具が外れて大腿中をさ迷うという恐ろしい状態になっていて痛みと戦う日々だったのであまり構ってもらえず、その精神的な負担や不安が痛みの大きな要因になっていた気はします。
 
そんなこんなで使いづらいサポーターはタンスの肥やしとなり、理想のサポーターを探す旅が始まったのです。

《見せるのか、隠すのか問題》

薄幸の美少女というキャラでないことは自覚していたので、いっそサポーターに見えない方向にしよう!と思い付いたのがニーパッド。アメリカ西海岸で短く切ったジーパンとローラースケート履いて、コーラ持ってるイメージです。
キャラ的にはコレ。明るく前向きで社交的…に見えるけど中身は悲観的で寂しい家庭環境…みたいな設定も70年代アメリカン青春ムービーによくあるし!…なんだけど、ここは日本の田舎。体操服はブルマなくせに、私服で短いパンツなんか履いてると途端に妙な噂がたって面倒なことになります。
当時は実は生きるので精一杯くらいの心理状態でそれらに抗う気力もなかったので、西海岸化計画は実行に移す前にあえなく断念、いわゆる普通のサポーターとの死闘の道を選びました。

《2次加工してみる》

市販のサポーター、というと白色か薄橙色か黒色。
スカートだと膝サポーターはどうしても見えてしまう場合があるので、服に合わせて染めたらいいんじゃん!と思い付いて加工してました。

〔ご注意〕
もし試してみる場合は、染める過程でサポーター自体の収縮性とかゴムが弱ったりする可能性があるので、染料の使い方も合わせて全てご使用は自己責任でお願いしますね。未成年の方は保護者の大人と一緒にご使用くださいね。

いわゆるスパッツとかに見られて良かったです。レースやビーズを縫い付けてもいいかも。今度やってみます。

《部位によってはテーピング》
そうこうしてたら、いわゆるヒールの靴を履くようになった19歳の頃には股関節の亜脱臼が当たり前になり、その痛みの方が強くなってきたので股関節用のサポーターを買い漁るようになりました。
しかし、「骨盤引き締め」効果は期待できても「脱臼予防」となると市販品では難しい。この頃の私はすっかりヤサグレていたので笑、病院など健康に気を遣う人が行く場所、私は刹那に生きるのだと敬遠していたため痛みは酷くなる一方(真似しないで、ちゃんと病院に行ってね)。

時代はボディコン。セクシー路線は好きではなかったけど、元気者キャラの演出として健康的なピチピチした服は好きだったので、外観に響かないテーピングを使うようになっていきました。
今のように動画サイトで専門的な知識が無料で得られなかったので、とりあえず友達になるのは看護師とかPT、整骨院の先生ばかり笑
彼らがお金をかけ時間をかけて習得したであろう技術と知識を持ち前の愛想の良さで次々にゲットし、素晴らしきテーピングライフを送っていましたが、代価を払わずに得たものへの代償が求められる時がきました。

ある夜、疲れていたためにテーピングを雑に剥いでしまい、幅1センチ長さ5センチくらいの皮膚が一緒に剥げたのでした。
ぎゃあぁあああぁああぁ。

それ以来テーピングが怖くなり、今でも絆創膏ですらビビりながら剥がしています。
そういえば、肺を破って緊急手術をしたときに、麻酔から覚めたらあちこちテープで管を止められていて、嫌な予感がしつつも元気者キャラ演出が邪魔をして「肌が弱い」くらいにしか伝えなかったら、背中のテープを剥ぐときに皮膚も一緒に剥がれ、むしろ看護師さんがビビる、ということもありました。

そんなこんなでテープは使わなくなり、膝や股関節などのサポーターが目立たない服を選ぶようになりましたとさ。


パンツが主流の頃はスカートを探すのに苦労したけど、今はヒラヒラふんわりした服をネットで色や形まで選べて、しかも安いからいいですね。
しかし、固くて滑らない生地だとサポーターに引っ掛かってまとわりついて歩きにくいので、インナーペチコートを履くか、柔らかい生地を選ぶと大丈夫なようです。